建築に関わる環境問題は大きく分けて、内と外に分類することができます。
内的には、かつて見かけ上の居住環境の創出に気を取られ、ホルムアルデヒドなどの化学物質が及ぼす影響を見逃していました。
外に目を向ければ、建設時の騒音・交通公害はもとより、残材などの産業廃棄物の処理は、さほど重要視されていませんでした。
しかし、自然界における〈現実の復讐〉が私たちの身に降りかかってくるに従って、使用材料の吟味や設計モデュールの合理化により、残材の減量を図るとともに、将来のリフォームや解体をも視野に入れた取り組みが、非常に重要な役割を担うようになりました。