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近代の建築家は、自らが選んだ建築の機械化および工業化、そして建築業務の専門分化によって、かえって自縄自縛に陥ってしまったような思いに駆られます。
つまり、建築を機械工業的なものと見なしたため、いわば一種の巨大な耐久消費財をつくり出す業務者となってはいないだろうか? 次々に新しい技術を追い、新しい製品をつくることを余儀なくされている状況も否めません。これは産業社会・大衆社会の趨勢ではあっても、逆に社会の側からいえば、建築家はいなくても建築物は建てられるという状況であることに他ならないのです。
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こうして生まれた建築物がこの時代の文化だといえばそれまでですが、それではあまりにも寂しすぎます。
私たち現代に生きるものが、後世に残したいと思う建造物を<文化>として残せるよう努力することも建築家としての大きな任務の一つです。
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