建物のライフサイクルコストとは、企画設計・建設・運用管理・廃棄処分の4段階に至る全てのコストを合計したものです。
「長い目で見て経済的なもの」
建設費が安くても維持管理費(修繕・光熱費等)が高くつけば、かえってライフサイクルコストは高くなり、逆に、建設工事費が高くなっても維持管理費のコストが削減できればライフサイクルコストは安くなる可能性が十分に考えられます。
建設費だけではなく、ライフサイクルコストで建設の是非を検討する必要があり、今後それが最小になるような施設づくりをしていく必要があります。
すなわち、計画初期段階から建物のライフサイクルコストを考慮することが重要課題となり、計画的な運営・維持管理が必要不可欠となる。
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「最適な建物空間は、全ての関係者が同じ思いを持ち一つのチームになって、互いに協力し合った上ではじめて得られるものです」
ライフサイクルコストの合理化を促進するためには、設計業務・工法・資材・部材等の標準化(効率化)が必要となり、また、ライフサイクルにおけるトータルコストを合理化することにより、新たな建物空間の選択の幅が拡大します。
今後は、発注者が設計者に対してライフサイクルコストの分析を要求することが常となるであろうし、真正面から取り組む設計者にとっては、企画設計の重要項目の一つとなるだろう。
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