街で暮らす人のほとんどは、ふるさとと聞くと、遠くまで広がる水田、あふれる緑、季節を彩る花々などの、自然環境をイメージするでしょう。
ふるさとは、美しく、心をなごませてくれる場所ですが、それだけではなく、田舎に住む人にも、都会に住む人にも、重要な機能を持っています。
日本の国土の約7割を占める中山間地域、私たちのふるさと「農山村」は、農産物の生産をはじめ、人間が生きるための、大切な役割を担っています。
ふるさとを守り、育むこと。それは、中山間地域の機能を理解することからはじまると考えます。中山間地域は、土と水と太陽の恵みと、人間の力で、私達にとって大切な役割を担ってきました。
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例えば、植物は光合成を行い、植物体1kgをつくるために約1.6kgの炭酸ガスを吸収し、約1.2kgの酸素を放出します。農林地という広大な面積を考えると、これは極めて多量の酸素供給量だということがわかります。また、地球に温室効果をもたらす炭酸ガスの増加を抑えるという意味でも農林地の存在は重要です。
農産物の供給をはじめ、新鮮な空気や緑、洪水や災害などを防御し調節する機能、緑いっぱいのレクリエーションの場、地域の文化や伝統、また家屋や史跡、名称などの歴史的資源・・・・・・。
私たちには、守るべきふるさとがあるということ。その大切な事実を認識するときが訪れています
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